パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

春のニオイ

春のニオイ (G-Lish Comics)

春のニオイ (G-Lish Comics)

ほら あなたにとって だいじな人ほど すぐ傍にいるの

読んでいてふと、高校時代に流行した歌の歌詞を思い出した。
毎月同じ日に花屋に来るお客さん、ずっと片想いしていた幼なじみ、いつも同じ場所で本を読んでいる先生、いっしょに虹を見た同級生。そのままでも傍にいられた。でも、それだけじゃ足りなかった。
ある日突然に落ちるのではなく、コップから水があふれるように、恋になっていく話。
関係が壊れるくらいならこのままでと思っていたはずなのに、積年の想いを抱えきれずに親友への想いを打ち明けてしまう「冬に揺れる恋心」が好きだ。私は心底「ほんとうはずっとおまえのことが…!」ってやつに弱いな。
すっきりとした絵柄に、漫画も描きなれていて読みやすい。
ただ、こういうストーリーより空気感で読ませるBLは東京漫画社以降あふれているのも事実。もうひとつ武器がほしいところ。