黒子のバスケ 1-4
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主人公・黒子のスペックは平均以下。シュートもドライブも、トップ選手相手にはてんで通用しない。でも、そんな黒子が「光」であるエース・火神の「影」となってチームを勝利へと導く。
ふつうの少年漫画なら脇役のはずの主人公が、常人離れした影の薄さを武器に活躍する。王道スポーツ漫画にはない意外性のあるアプローチがおもしろい。ジャンプでバスケ漫画というだけで高いハードルがあったことは想像に難くない。それでも、あえてSDとはちがうことをする!と開き直った作者の度胸に敬服。藤巻先生、巻頭の挨拶を見るだに腰の低そうな人だけど、なかなかに豪胆である。「弱いけど強い」黒子のキャラクターは作者譲りなのかもしれない。
それにしても、読むほどに二次創作にもってこいな設定だ。黒子と火神の光と影の関係はもちろん、黒子の中学時代のチームメイトである「キセキの世代」は揃って美形のスーパープレイヤー。しかも黒子には、因縁の末に彼らと決別した過去がある。キセキの世代は5人別々の強豪校へ進学しているので、魅了的なライバルたちが続々登場。
デフォルトが主人公総受けのハーレム設定。そのうえ、ライバル・相棒・先輩後輩と関係性が入り組んでいて、あらゆる組み合わせが可能。CP多様さはテニプリにも負けていない。
個人的には火神くんいち推しなので、光と影の主人公CPを推していきたいのですが、4巻までですでにあらゆる可能性が…!「黒子っちください」と奇襲をしかけてきたイケメンモデル・黄瀬くん、変人緑間とハイスペック彼氏・高尾のチャリアコンビ、言葉はなくても通じあえる3年生・水戸部&小金井など、みんなそれぞれに魅力的。
キセキの末っ子・黄瀬くんを倒すや否や、2巻からははやくもIHがスタート。誠凛は緑間擁する秀徳高校と合いまみえる。黄瀬くんのコピー能力もたいがいだったけど、緑間の長距離3Pシュートもハンパないな!オールコートどこからうっても入るって!高校生ばなれした超人バトルスポーツ漫画だが、この世界にも「NBA」はちゃんと存在しているんだよね。笑
どんな「トンデモ」技もまるっきりの「でたらめ」ではないし、彼らはあくまで発展途上の高校生。エンタメとして、フィクションとリアリティのさじ加減が絶妙。