パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

とげぬきハトちゃん

ネタにしすぎることもなく、同情しすぎることもなく。この漫画のなかに描かれている「さえない中学生」はかなり実態に近い気がする。
私自身もお絵かきが好きで、オシャレや恋には縁遠い地味系グループで生きてきたので、ハトちゃんたちさえないグループに共感しまくりで読んでいます。
今回はとくに兄弟の話にぐっときた。
「同じ親から生まれた子ども」という言葉に、はじめて自分の兄弟観を的確に表現してもらった気がした。
私も弟が結婚したからといってきっと泣いたりしない。嫌いってわけじゃないけれど、大好きなんて思ったこともない。ずっと私は弟のことがよくわからないし、この先もわかりあおうとすることはないと思う。
物語の中には血のつながりのある相手なら無条件で愛せるひとがたくさんいて、いつも違和感を感じていた。
血のつながった他人。そんな距離感の兄弟もいるってことを、ごく自然なこととして描いてもらったことに、なんだかほっとした。