雨月物語
- 作者: 小野塚カホリ
- 出版社/メーカー: 大都社
- 発売日: 2013/03/25
- メディア: コミック
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「人は愛しすぎると鬼になる」
募る情念が彼岸へいざなう奇譚集。小野塚カホリの豊かな表現によって、古典にあらたな息吹が吹き込まれている。
帰らぬ夫を待つ妻がうつつのほとりを彷徨う「浅茅が宿」は時を駆けるSFのようだったし、死んだ稚児を想って異形と化した僧侶の業を描く「青頭巾」のすがすがしいラストシーンはファンタジックですらあった。
どれだけの時を経ても、ひとがひとを想うこころは変わらない。だからこそ、昔話ではなくひとつのエンタテイメントとして読めるのだろう。
原典も読んでみたくなった。