パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

変態とおひめさまとついてないおれ

明らかにカオスなタイトルにもかかわらず買ってしまったのはどうしてか…たぶん、絵柄が好みだったんだと思う。夏目イサクや田中鈴木みたいな、愛嬌ありつつすっきりした絵柄が好きなんです。三白眼萌え。
しかしこの本、どアタマが妖怪漫画です。もはやこれはBLなのか!?
お風呂から出てきた河童に一目ぼれする話なんだけども、水木しげるが描いたのか?ってくらい見事な河童。本の最後にちょろっと収録するのではなく、いきなり河童から始まるんですよ!チャレンジャー!
しょっぱなからたまげてしまったわけですが、表題作もこれまたちょっとずれている。
惚れっぽい同級生・香に「俺のおひめさまになって!」と告白された亨。もともと恋愛関係に無関心な亨は、香のアプローチを疎ましく思うのだが、一途な香の愛情に徐々にほだされていく。
こう書くとよくある朴念仁が天真爛漫の受けに解かれてゆく話のようだけど、なぜかすんなりそういう風に読めないんだよな。
大学生にもなって運命の相手を信じてる香も、大学生なのに恋愛にキョーミなしな亨も、両極端で「ちょっと変」な人。この「変」な部分にまったく但し書きがないから、やけに突拍子もない話に思えてしまった。
亨の変化をもうちょっとゆっくり描いてほしかったかな。