パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

光木八尋の甘美な憂鬱

表紙がふたりとも裸だと、属性や職業がわからず買いづらいのは私だけでしょうかっ?!裏面のイラストが表でもいいと思うんだけどなあ…深井さんがカバー下に描く、市井のワンシーンを切り取るイラストが大好きなもんで。
オヤジ受け成分増量の短編集。表題作はのっかり受け、超年下攻めのリバもあり。手を変え品を変え「ずっと好きだった。でも、いえなかった」というストーリーを描いているのだが、「でも」の部分にひとひねりあって引き込まれる。
息子同然に育ててきた、娘の幼なじみに押し倒される「糸も半ばの物語」が好きだ。突然男をむき出しにして襲いかかってきたかと思えば、子どもみたいに泣きながら「大好き」という。布団の上では下剋上を食らっても、築き上げてきた家族同然の絆は変わらない。
「なんだってしてやりたい」という気持ちで想いあっているふたりだから、リバも自然な流れに感じられるんだろう。