パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

銀の匙 8

ひばりの朝」のあとで読むと、ギャップにくらくらする。
子どもたちがみんな、蝦夷農のような学校で青春時代を遅れたらいいのにな、と心から思う。
たとえ現実に打ち負かされることがあったとしても、本気でぶつかりあえる仲間がいれば、それだけでどんなに心強いか。
ここに描かれているのは、一昔前にはたしかにあっただろう「ごくふつう学校生活」であると同時に、いままさに「架空のユートピア」となりつつあるリアルなコミュニケーションの光景なのかもしれない。