パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

遊び猫のらりくらり

大好きな想い人のつれなさに、あっちにふらふらこっちにふらふら、流されるままの雪。そんな雪にあきれ返りながらも、やっかい払いするでもない朴念仁の画材屋・信一郎。根無し草のノラ猫だった雪が、めでたく信一郎に飼われるようになるまでのお話。
本人が気づいていないだけで、はなから信一郎も雪に惚れている。なのでどれだけすったもんだしようと、つまるところは「犬もくわないなんとやら」である。