パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

黒子のバスケ 23

WC準決勝第二試合、誠凛vs海常戦。
春先の練習試合で黄瀬にはじめて「敗北」を味合わせた誠凛が、海常とふたたびあいまみえる。

この試合の勝敗は始まる前から決まっていたようなもの。主人公格である以上、誠凛高校の敗退はありえない。海常は誠凛に負け、桐皇にも負け、どうにもかませ犬ポジションで不憫な気がしてしまう…。黄瀬くんは「キセキ」のなかでも末っ子だし、そうならざるをえないんだろうけど。
この試合は、笠松先輩にとってもラストマッチのはず。負けてしまった彼らにスポットが当たらないのは当然のことだけど、笠松先輩大好きだっただけにせつないぜ。
でも、海常が敗者として描かれたのには、敗北を乗り越えて成長できる力を持っていたからだとも思う。海常は監督も先輩も黄瀬を特別扱いすることなく、チームの一員として接していた。「チーム力」という点では、海常はどこにも負けていなかったと思う。
いい先生がいて、いい先輩がいる。こういう学校はきっとこの先も伸びていくはず!誠凛もいいチームやけど…カントクが生徒だからね。どうしたって、三年の卒業後に不安が残る。笑
試合後、またしてもわんわん泣いてる黄瀬くんを、支えてあげる笠松先輩。笠松先輩こそ泣きたいだろうに。泣けない笠松先輩の代わりに、黄瀬くんが泣いてくれてるのかもしれないな。自分にも他人にも厳しくて、怒りっぽいけど、頼りになって面倒見よくて。まさに理想のキャプテンだったよ、笠松先輩…!
タイトルこそとれなかったけど、笠松先輩たちがチームに残していったものはきっと黄瀬たちに引き継がれて、海常というチームを強くし続けていくのだと思う。