パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

黒子のバスケ 24

帝光中学編スタート。
黒子のレギュラー入りから、黄瀬の入部、赤司のキャプテン就任、青峰の中二病発症。
2年生にして早くも、圧倒的な才能を開花させはじめたキセキの世代。なにかとぶつかり合いながらも、なんとか「チーム」としてのかたちを保っていたころの6人の話。
それにしてもキセキはみんな個性的&強すぎて、「仲間」って感じがしない。仲間っていうのは、支えあい補いあってこそのものなんだなあとしみじみと思う。
誰の手を借りることもなく、自分ひとりで勝利を掴めるほどの力を得た彼らは、戦う意味を見失っていく。それはすなわち、「成長」のチャンスを失うということ。真の強さというやつは、ひとつひとつ積み上げた先にしかない。あまりに劇的な才能の開花は、彼らから積み上げるための時間を奪ってしまった。
それでもこのころはまだ、白金監督っていう指導者がいたからどうにか、均衡が保たれてたんだろう。どんなに背伸びしてみせても、彼らは中学生だったのだ。彼らを導き支えてくれる大人がいなくなってしまったことが、なによりの不運だ。
だんだんと心が離れていくチームメイトたちに気づきながらも、小学校時代の親友との約束を果たすべく、黒子はチームプレイに徹し続ける。これほど強烈なメンバーに囲まれて、ブレない黒子もたいしたもん。
キセキがチームとして機能していたのって、2年の全中までのほんの短い時間だったんだなあ…。