パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

いつものふたりで。

いつものふたりで。 (H&C Comics  ihr HertZシリーズ 154)

いつものふたりで。 (H&C Comics ihr HertZシリーズ 154)

やわらかい印象の表紙に比べて、本文はわりと癖のある版画っぽい画風。クールすぎてやや入り込みづらかった。
学生最後の冬休み、卒論の手伝いを口実にして実家に帰るという友人・航との同居にこぎつけた隆太。思い出づくりのはずだったのに、これまでにない距離感が、口に出さずにいるはずの想いに熱を与える。
お互いにわかっていながらも踏み出せない友だちゆえのじれったさと、いったん踏み込んでしまった後のあまさ。定番ながら、何度読んでもいいもんだ。
航がお寺の跡継ぎ、という設定が何気に萌えツボ。後日談では、蜜月真っただ中に航が僧寺へ修行へでかけてしまうという。若い身空で三年間の遠恋を耐え抜いた隆太こそ修行僧だよ…!