パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

夜とコンクリート

夜とコンクリート

夜とコンクリート

不眠男を眠らせた建物すら眠る未明の静寂。
知らぬ間に迷い込んでしまった、永遠につづく夏休みの町。
ひとりぼっちの少女とセンニンの男がともに過ごした夢の島
どれも「ここにはないどこか」の物語なのに、不思議となつかしい。眠れない夜、ながいながい夏休み、心のなかだけのお友だち。それらすべてが、私たちがなくしてしまった大切な「なにか」を思い出させるからだろう。