パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

黒子のバスケ 28

畏怖すらおぼえる強さをみせる帝王・洛山。
誠凛は懸命に闇のなかに一筋の光明を探そうとするが打開策は見つからず、折れそうな心をなんとか保っている状態。気持ちが焦るあまり、日向は4つ目のファールをもらってしまう。ついにここまでかと思ったそのとき。
それでも勝ちたい、みんなと。その想いだけを胸に黒子がふたたび立ち上がる。
無理でも、不可能でも、最後まで逃げない。これが黒子のバスケ。黒子が灯したかすかな光は仲間たちにも伝わり、ふたたび顔を上げさせる。
あとのない崖っぷちで、黒子は「幻の6人目」としての能力を取り戻す。新型である黛が自分より目立つように仕向け、ミスディレクションのパターンを変える。それによって、黛の薄さを上書きする。黒子の奮闘に共鳴し、火神もまたゾーンを取り戻す。薄氷を踏むような戦況にかわりはないが、光と影の力でわずかに希望がみえはじめた。
誠凛が息を吹き返したことを気取った洛山は、すぐさまつぎの手をうつ。反撃の糸口を与えてしまった黛はここで退場かと思われたが、おおかたの予想に反して、赤司は黛をコートに送り出した。しかし、チームの一員としてではなく、パスを通すための道具として。
勝利のためなら手段を選ばない。それが赤司のバスケ。仲間であろうと容赦しない非情なやり方を目の当たりにして、誠凛はあらためて闘志を燃やす。
凡人の自分を受け入れて、さらなる進化を果たした伊月先輩にシビれる。伊月先輩の落ち着きはチームを支える背骨だよ。誠凛でもっとも安定したプレイヤー。