パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ハードライン 1-8

ハードライン (スーパービーボーイコミックス)

ハードライン (スーパービーボーイコミックス)

ハードライン(2) (スーパービーボーイコミックス)

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ハードライン(3) (スーパービーボーイコミックス)

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ハードライン(4) (スーパービーボーイコミックス)

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ハードライン(7) (スーパービーボーイコミックス)

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ハードライン(8) (スーパービーボーイコミックス)

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お盆休みの禁欲生活に耐えかねて、地元ブックオフでつい散財してしまった…!
BL黎明期のアメリカ海軍BL。リブレの電子書籍サイトでみかけて気になっていたところだったので、ここぞとばかりにまとめ買い。
合衆国海軍の特殊部隊SEALに属するロイとジムは階級を超えた親友同士。ロイは、任務中に性的拷問を受けたことによるトラウマを抱えていた。ずっと彼を見守りつづけてきたジムは、どうにかしてロイを深い孤独から救いだそうとする。
クールビューティな大尉ロイと、たくましくて男気のある曹長ジムのカップリングがとにかくツボ。任務に関してはひときわ厳しいロイだけど、いざとなれば誰より仲間想い。孤高なのに危なっかしいエリート士官の飴と鞭に、思わずよろめいてしまう部下や上司が続出。純情な堅物かと思いきや、やはりロイは「魔性の受け」である。大尉の熊こと、ジムの心は休まる暇もない。
想いが通じ合ってからも互いに危険に身を投じる仕事ゆえに、ふたりの恋は波乱万丈。
ジムが遭難したり、ふたりの関係が密告されたり、ジムの元カノが乗り込んで来たり、その隙にロイの主治医がNTR行使したり、ロイが撃たれたり。
さらには精神を病んだ母親との確執!交通事故からの記憶喪失!拉致監禁凌辱からの生クリームプレイ!!トラウマのフラッシュバック!!!そして、想い合うがゆえの別れと、永遠の誓い。
韓流と昼ドラが束になってかかってきたような怒涛の展開。読み終わるころには、大河ドラマを見終えたときと同じ達成感に満たされること請け合いである。
サブキャラのフランス人の芸術家や背徳感をはらんだセックス描写、自己不全感に悩まされる受けなど、Juneの薫陶を受けた作風だが、メインのCPが下剋上であるところがボーイズラブ的。米軍海軍という男だらけの「職場」を舞台としているところも、現在のBLにつながるものがある。
ネットもなかった時代に、こうして作家を見つけ出して商業BL誌をつくったビブロスはすごいなあ。いま気軽にBLを読めるのも、当時種をまいた人がいるからこそ。ありがたやありがたや。