パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ベイビードントクライ

彼女がいる友人・戸川に不毛な恋するゲイの大学生・木内。
絶望しながらも期待を捨てられず、信頼されるほど苦しみを味わう。天国と地獄を往復する片想いの心情を丁寧に描いていて好感。
どうしたって消えない「好き」の気持ちにトドメを刺すつもりだった木内の告白に、戸川は思わぬ答えをよこす。ふたりの関係に決着はついたわけだけど、恋愛として大変なのはきっとこのあとだよね。たとえこの先どんな修羅場が待っていようと、戸川が木内に渡した肯定はずっと木内を支えていくのだろうけど。
理性で受け入れた恋にどう気持ちが追いついていくのか、戸川の物語も読んでみたかったな。