パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

同人誌2冊

カレー屋「The Film」
ブロンドの美女ばかりと結婚としては、離婚を繰り返すあおみね。そんな彼の傍らに友人のように、家族のように寄り添うきせ。数々の悲喜劇を繰り広げたすえに、彼らがたどりついた結末とは。
このサークルさんの漫画はどれも映画のようにドラマチックなんだけど、この本はまさしく「映画」をテーマに描かれた一冊。
あおみねが眺めるスクリーンに映し出されるのは、彼の人生に訪れた数々の転機と、瞬間ごとのきせの表情。そのほとんどは笑顔だが、うれしそうだったり、誇らしげだったり、さみしそうだったり、涙でぐちゃぐちゃだったり。笑顔のうらに隠された彼の想いを、あおみねはたどっていく。彼らの人生のクロニクルは文句なしのハッピーエンドで幕を閉じるのだけど、それをひとりで眺めるあおみねの背中に「ハッピーエンドのその先」を思わずにはいられない。読み終えて、いろんな想いがこみ上げてくる本だった。


もうじゅう館「夏の足跡にキスをして」
ふあぁぁぁ、すばらしいっ!!!!
この人の描く宗凛を読むたび、こんな宗凛を見たかったんだって感動する。自分でも気づかなかった夢が具現化する感じというか…ほんとうにありがたい。
夏のあと、なんとなく距離を感じたままの宗凛が、いっしょに泳ぎに行く話。
私はそうすけにがんばりたいならがんばっていいんだよって、あきらめなくていいんだよって、いってやりたかったんだなあ。ずっとずっと、いっしょに夢を追っかけてるふたりを見ていたかったんだ。
やおいって、男同士の恋愛がみたいってだけじゃなくて、自分の愛するキャラクターを幸せにするためのルートを探す「可能性探し」のような気がする。そういう意味で、この本はすごくいいやおい
はー、宗凛しあわせになれ!