パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

わたり鳥の話

わたり鳥の話 (ビームコミックス)

わたり鳥の話 (ビームコミックス)

ひとより優れたい、うつくしくなりたい。自由でいたい、ひとりでいたい。ひとりでいたくない、認められたい。
ほかの誰でもない、自分であることをゆるしてもらいたい。
ちくりと胸を刺す毒と、奇想に満ちたユーモアで彩られた世界観から浮かび上がる人の業。たぶんこの作家さんは、創作の根底にジェンダーへの問いかけがあるんじゃないかな。わかりあえない絶望と、それでも求めずにいられない滑稽なまでの切実さがマーブルを描いている。