パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

同人誌13冊

最果「Re;610」
緑高再録本その1。IHからWCまでの行間を埋める「怪物は夏を思う冬の夢を見る」、WC後のふたりを描く「あさになくたか」がよかった。敵わないと思い知らされた相手の相棒になった葛藤、PGとしての存在価値を否定されるような洛山戦での敗北、どんなときもチームをひっぱってきてくれた先輩への感謝。たかおの視点から紡がれる秀徳の光と影の物語。ほんとうに、チャリアが秀徳を選んだのは運命だよね…!
パラレルも大好物なんだけど、やっぱりバスケで青春してるチャリアが好き。

煙「Happy life」
緑高再録本その2。無配や寄稿を集めた短編集。高校〜大学〜社会人〜四十路まで、いろんな時間軸でのふたりを垣間見れる一冊。どのお話もささやかだけどかけがえない「幸せな生活」を描いていてほっこり。

non-ya「OVER AND OVER」「もの言うサテライト1,2」
緑高再録本その3。素描のような粗さのなかに独特の翳りをはらんだ筆致で紡がれる、未熟でいびつな青い恋。やさしくしたいのに乱暴にしたり、信じたいのに不安になったり、近づきたいと願いながら離れたり。原作だとかっこよすぎて忘れるけど、そういえばチャリアも高校生で、ひと皮むけばまだまだ子どもなんだよな〜ってしみじみした。

ライラ「異文化交流」
緑高再録本その4。たかおがちょっと病んでたり、ふたりきりで関係が閉じていく共依存な話が多くて、これは苦手なタイプかも…と腰がひけかけていたのだけど、「尽くしたがりちゃん」が非常に私このみなこじらせ十年愛。片想いが長すぎて恋が報われることそのものが恐怖になってしまってるたかおの幻想を、みどりまがなんとか壊そうとする。たかおを追い詰めたのがみどりまなら、解放するのもみどりま。頑固で偏屈だけど、いちどこうと決めたら揺らがない芯の強さがかっこういい。

伴屋「私のカレはメガトン級」
むっくんがシロクマな紫氷パラレル。シロクマラブ!なむろちんと、そんなむろちんにいやいやながらも黙ってかいぐられるむらさきばらくんの持ちつ持たれつ感に萌え。ふたりそろって見た目はアンニュイっぽいのに、中身は熱血漢vs面倒くさがりで正反対なところがいいよね〜。最近、紫氷がアツい!!(私のなかで)

ゆめぎわ「KEEP WALK2」「初心忘れるべからず。」
黄笠寄りの海常再録集と、先輩が免許をとる本。
器用貧乏の弟を案じるきせくんのお姉ちゃん視点のお話にじーんときた。「よくもわるくも素直で生意気」って、さすがお姉ちゃんは弟のことをよく見ている。なんでもできるせいで、誰からも認められたことがなかったきせくんをはじめて全肯定してくれたのが先輩だったんだと思えば、ふたりが恋に落ちないはずがないな…!パーフェクトなイケメンにこそ、悩んで苦しんで恋してほしい。

Gummy!「その温もりの、色は桜」
宗凛卒業本。せつないなあぁ…。ふたりが同じ卒業証書をもらうのははじめてってところで、はやくも涙腺にきてしまってお恥ずかしい限り。まえへ進むために手を放すって、宗凛らしいね。向き合うというよりも、並んでまえを向いているふたりが好きだ。

トバエ「今日、2月14日は」
承花の大正ロマンパラレル。鳥人さんの大正ロマンが読めるだけで五体投地なのに、それが承花で年下攻め主従愛だなんて…!つづきあるかな?あるよね?あるよな?

別冊バリボー「終わりの三月で君を待つ」
及岩本。いや〜〜〜〜、もう最っ高!プロの構成力ハンパない…。薄い本なのに、大河ドラマを見終えたような感動。青城が全国へ行く話のつづきもすっごく楽しみ!同人だけにどこまでつづくかは作家さんの気持ちひとつだけど、つづきたい気持ちがあるって知れただけでありがたい。正座待機しておりますです。

chickenman「もっとヘンになれよ」
大菅本。このサークルさんの描くスガさんは、健気でかいわいくてちゃめっ気があって、でもしっかり男の子なところが素敵。スガさんってどんな子なのかな〜てずっと考えてるんだけど、かなり私の理想のスガさんに近い感じ。だいちさんのかっこいいくせしてたまに意地悪なところもいい。じゃれあうようにはじまって、だんだんお互いに没頭していくふたりに萌える。