パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

なんとかなる日々

なんとかなる日々 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

なんとかなる日々 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

ほんのりあったかそうな表紙絵に惹かれて手に取った。
はじめての合コンでかわいくて物静かな「清子ちゃん」をお持ち帰りしてしまった、彼女いない歴=年齢の非モテ大学生の悠。思いのほか積極的な清子ちゃんについにDT卒業かと期待が高まるが、なんと彼女は男。清子ちゃんではなく、慎二郎というイケメン。驚愕する悠だったが、元カレからDVを受けて行くあてのない慎二郎を家に置いてやることに。
ごく平凡で野暮ったい大学生と、魔性のゲイ(でも根は純情)のひとつ屋根の下。悠がノンケで非モテなだけに、なかなかふたりの関係が動き出さないのだけど、そのじれったさがなんともリアルでよかった。
たしかに女の子とも付き合ったことのないDT男に、魔性のゲイはハードルが高い。意識し合いながらも、世間体や常識が邪魔をして、なかなか「好き」という気持ちが認められない。このかっこわるさ、臆病さに人間味を感じた。
しかーし!肝心の告白シーンでの悠のセーター。これはあきらかにアカンやつや…。
戦隊ヒーロー風セーターをジーパンにイン(しているように見える)。まるで「タッチ」から抜け出してきたような空前絶後のダサさと、私のなかで話題に。それまではダサいなりに見られる格好をしていたのに、なぜこんなときに逆一張羅をはりこんできたのか。
カッコよくなくていい。せめて告白シーンでは、笑いを誘わない恰好をしてほしいとせつに願う。