パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

起きて最初にすることは

志村さんのBLが読めるとは…!と感激していたら、十年前にも麗人でBLを描いていたことを知ってびっくり。
ゲイで引きこもりで弟に欲情する兄と、兄の性癖をいいふらしたヤリチン弟。義兄弟のドメスティック・ラブ。
設定だけまとめると非常にドロドロした話のようだが、そこは志村さん。手に入らないと知りながら弟を想ってやまない兄も、かつて憧れていたからこそ兄をゆるせない弟も、「兄弟」であり「他人」であるという微妙な距離をもてあまし、揺れ動いている。
好きだからこそ嫌い、嫌いだけど好き。そんな愛のかたちがあってもいい。