パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

無色透明

無色透明 (GUSH COMICS)

無色透明 (GUSH COMICS)

雨に打たれながらも不思議と無垢な眼をした青年・祐仁。写真家の隆一はその眼に惹かれて、気まぐれに彼を拾った。「俺の事だけ見ていろ」という隆一の言葉のとおり、友人は一心に彼を慕うようになる。こんなガキを好きになるはずがない。そう思いながらも隆一は、どれだけ汚されようと何物にも染まらない祐仁にとらわれていく。
支配することと愛することがイコールだった傲慢男が、飼っていたはずの子どもに心乱され、逆に支配されていくところに萌え。この先ふたりでしあわせになれそうにも、ダメになりそうにも、どちらにもとらえられる「無色透明」なラストシーンに余韻がある。