パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

明日は死ぬのにいい日だ 1

タイトルに惹かれて衝動買い。「死ぬ」なんて不穏な単語と、ちょっと天気の話でもするかのようなのどかさが同居していて、いったいどんな物語だろうと好奇心をくすぐられた。
見た目はちびっこだけど、腕っぷしはたしかな山賊・力王丸。難破して日本に流れ着いたネイティブ・アメリカンの「天狗」。女だてらに男より背の高い名主の娘・おいと。はぐれものだった三人がひょんなことからめぐり合い、徐々に絆を深めていく。
ネイティブ・アメリカンと江戸時代という、まったく縁のなさそうな両者がしっくりなじんでいておもしろい。メインの3人もじつに気持ちのいいキャラクター。
八州廻りの異人狩りの手が忍び寄り、嵐の海で「天狗」を助けた不思議な鳥の正体が判明するか?というところで1巻は終わっている。いまのところ「死」を思わせるような展開はないながら、天狗と力王丸の出会いはいったいどんな運命を呼び寄せるのか。つづきが気になる。