パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

蜜色エトワール

蜜色エトワール (幻冬舎ルチル文庫)

蜜色エトワール (幻冬舎ルチル文庫)

市村さんは大好きなBL作家さんのひとり。寡作なのでイマイチ知名度がない気がするんですが…すっきり歯切れよい文章で読みやすいし、市村さんとは妙に攻めの趣味が合う。笑
今回も、がさつでちょっと無神経だけど包容力のある攻めが、じつにツボど真ん中で萌え萌えで読了。
幼少期からフランスにバレエ留学し、日本人の両親を持ちながらも、自分自身は日本語すらうまくしゃべれない。自分はいったい何者なのかと思い悩む主人公・ナオキと、荒削りながらも不思議な魅力を持つ新人ダンサーの清親。それぞれに将来の岐路を迎えていたふたりは触発し合い、支え合いながら、やがて自分の進むべき道を見つけていく。
少女漫画の傑作バレエ作品群へのリスペクトに満ちた作品で、職業小説としてもとても興味深かった。イチ押しです。