パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

未完成

未完成 (プラチナ文庫)

未完成 (プラチナ文庫)

新装版。旧版読了。
離婚寸前の両親が罵り合う家庭から逃れるように、友人たちと遊び歩いている高校生・瀬名。ある晩瀬名は、クラブで英語教師の阿南が男とキスするところを目撃する。昼間とはまったくちがう教師の一面に興味本位で瀬名は近づいていくのだが、冷たいようでけして自分を突き放しはしない阿南のやさしさにやがて心を開いていく。
久しぶりに読み返したのだけど、やっぱりいい生徒×教師だな〜と。阿南先生がさいごまで瀬名の先生を貫くところが私的萌えツボです。どうにかして阿南を手に入れたい瀬名の焦燥も、瀬名の将来を思えばこそ本気になるわけにはいかない阿南の想いも、両方すごくよくわかるだけに、すごくせつない。
ただ燃え上がるだけの恋に終わらせるのではなく、それを愛へと育てていくために瀬名が成長するところまでがしっかり描いてくれてるところがさすが凪良さん。
ろくでなしからのスタートだっただけに、この先瀬名はかっこよくなる一方でしょうね。阿南先生はきっとどんどんめろめろにされて「でもあんまりかっこよくなりすぎると心配だから、あんまり急いで大人にならないでほしい…」って不安になったりするんだろうな〜って思うで、萌えがとどまるところを知りません。