パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

トルソメイト

トルソメルト (ショコラコミックス)

トルソメルト (ショコラコミックス)

天才肌の双子の弟に劣等感を持つあまり、自分のつくるべきものが見えなくなってしまった美大生の和希。ひとりで作っては壊しを繰り返す和希に、三年生の矢吹はやたらと気安く話しかけてくる。はじめはうっとうしく思っていたはずが、和希のつくるものを無邪気に褒め称える矢吹に和希はだんだん心開いていく。
コンプレックスの塊だった和希が、ときに矢吹に手をひかれてながら、自分の道を踏み出すまでが一冊かけて丁寧に描かれていた。
アトリエに棲みついてる矢吹さんを見てると、大学時代を思い出した。私の通っていた大学にも芸術学部があって、学祭の時期になると一晩中作業棟に明かりが灯り、みんなボロボロになりながら制作に励んでいたものだった。なつかしい。