パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

日報群雲浪漫

日報群雲浪漫 (ディアプラス・コミックス)

日報群雲浪漫 (ディアプラス・コミックス)

世間を騒がせる義賊まがいの覆面怪盗「蜘蛛」を追う、堅物の巡査・日吉。同窓生の新聞記者・三井にひやかされようと「今度こそは」と奮闘するものの、きょうもきょうとて「蜘蛛」に翻弄されるばかり。そのうえ、「蜘蛛」から悪趣味な悪戯をしかけられるようになり…。
からかいの言葉のうちに、ひそやかな熱をしのばせる三井。厄介ごとはごめんとばかりに眉をひそめながら、あきらめない日吉。正体を隠した安心感からか、いっそう大胆になる「蜘蛛」。一筋縄にはいかない三人の駆け引きが、なんとも楽しい一冊。
いまよりずっと闇が深かった大正の世になら、こんな怪盗が現れても不思議じゃないだろう。