パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

翳りに木漏れ日、それから緑

翳りに木漏れ日、それから緑 (Dariaコミックス)

翳りに木漏れ日、それから緑 (Dariaコミックス)

生真面目な伯爵家の跡取り・黒木と、自由奔放な学友の有馬。ただ言いなりに家を継いだ黒木は、けして口に出すことのできない有馬への想いを抱え、静かに絶望していた。
大正ロマンは大好物なのですが、これはイマイチのれなかった。伯爵家の長男として生まれた黒木にまったく「ノブレスオブリージュ」の精神がなく、まるで現代の若者みたいな「何事もほどほどでいい」中流志向を語ってるところに違和感を抱いてしまった。
こういう人間が大正時代にいたっていいんだけど、当時は異端だっただろう発想をあっさり口にされてしまうと時代の「実感」を欠く気がする。