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パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

月光坂の花屋敷 春・秋

小鳥遊のことを誰にも譲りたくないくせに、自分の心は渡さない。優しいようで、幸哉さんは酷い人だよなあ。
けして無自覚なんかじゃなく、自分でもわかってやってる自暴自棄なところがますます性質が悪い。小鳥遊が何より腹を立てているのは、幸哉さんが愛してくれないことじゃなくて、自分自身を大事にしないところなんだから。
それでも、お互いのずるさをゆるしながら、なあなあで続いてきたふたりの関係だったが、結人のまっすぐな想いがその均衡を揺らがす。
幸哉にとっても小鳥遊にとっても「誰よりかわいい息子」である結人が、ふたりのあいだに割って入るのは無理とわかっていたけど、それでも、こじれて歪んで自分の心の在り処すらわからなくなっていた幸哉さんにヒビを入れるのは、やっぱり結人じゃなきゃ無理だったはず。どんな過去があったとしても、生まれてきた子どもは宝。
最後までダメダメな幸哉さんだったけど、これからちゃんと小鳥遊と結人のことを愛して愛されて、いっしょに大人になっていけばいい。
こんなにがんばったんだから、結人は絶対幸せにならなきゃいかんだろ!って思うので、親友の日下部くんと結人のスピンオフ正座待機してますね。