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パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

海とヘビースモーカー

榎田尤利原作。海をモチーフにした連作コミックス。
末期がんを宣告され、別れた恋人が育った海辺の町を訪れた男。残業帰りに寄った浜辺で自殺志願の「王子」を拾った中年サラリーマン。十年ぶりに再会した幼なじみに連れられて、みかんの海が広がる故郷に帰った若者。
それぞれに言葉にできない想いを抱え、人生に行き詰っていた男たちが、海で生きる力を取り戻していく。
海って場所は、いつもよりすこし人を素直にさせるような気がするな。遮るものはなにもない、あるのは空と海だけの空間だからこそ、自分の心のうちがはっきり見えるのかもしれない。

海があるってことは、すべてがあるってことなんだ。