パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

君は僕の初恋の人

君は僕の初恋の人 (ガッシュ文庫)

君は僕の初恋の人 (ガッシュ文庫)

「壁の中の嘘と秘密」でわけありな感じを漂わせまくっていた、イケメン社会科教師・棚橋と無愛想な数学教師・朝倉のスピンオフ。
前作では犬猿の仲だったふたりなのに、学生時代の回想はうってかわってかわいらしいボーイミーツボーイ。いったいなにがどうなったらこの日本語の下手なかわいい帰国子女が、あんな毒舌三白眼になったんだ…?と不思議に思いながら読んでいたら、あっと驚くどんでん返しが。
こういう叙述トリックを用いた演出を仕組んでくるところは、さすが高遠さん。種明かしがされる前と後では、ふたりのキャラクターががらりと変わって見えるからおもしろい。萌えだけでなく、小説を読む楽しさも味合わせてくれる。
うまくやろうとして傷つけてしまった学生時代を取り戻そうとするようになりふりかまわず朝倉を口説きまくる大人・棚橋に、イケメンザマァ属性の私は萌えまくりでした。