パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

白獅子の子供たち 1-2

白獅子の子供たち 1 (ビームコミックス)

白獅子の子供たち 1 (ビームコミックス)

白獅子の子供たち 2 (ビームコミックス)

白獅子の子供たち 2 (ビームコミックス)

騎士を目指す少年が集う、ウォルスト騎士学校で出会った4人の少年たち。
不器用な努力家・トマス、破天荒で型破りなベルナール、学校一の秀才・ヘルマン、冷静な現実派・バズ。あるものは理想に燃え、あるものは秘密を抱え、あるものはただ心のおもむくままに。それぞれの信念のもと、彼らは王国を守護する「白獅子」を目指して奮闘する。
骨を軋ませ肉を破るような少年期から青年期にかけてのめざましい成長が、ときに痛みすらともなう鮮やかさで描かれている。4人それぞれに魅力的なんですが、個人的には正反対なのに不思議と通じ合っているベルナールとヘルマンの絆にぐっときた。いつだって自由奔放だったヘルマンが選んだ居場所が孤独な友のとなりだったなんて、なにそれすごい萌える…!
ハルタ作家らしい骨太でのびやかなペンタッチが魅力的。デジタル全盛の世の中で、こうして手描きのよさを実感させてくれる漫画を読めるのは何よりの贅沢だと思う。