初恋大パニック
引きこもりから一転、デビュー作で大ヒットを記録した注目の新人作家・藤原壮介の担当となった敏腕編集の小宮山旭。打ち合わせ初日、良家に生まれ、容姿にも才能にも恵まれたぽっと出の新人に対して、やっかみまじりにこぼした悪態を、藤原本人に聞かれてしまう。
お互いの第一印象は最悪。でも、くやしいが藤原の才能はほんもの。
編集者として、作家生命にかかわる第二作目をよりよいものにするべく旭は奮闘するのだが、旭が自分をバカにしていると思い込んだ藤原は、まったく旭に心を開こうとしない。
いけすかないと思っていたはずの相手なのに、出会うたびにイメージとは異なる互いの素顔を知り、やがて惹かれあっていく。
ハリウッドのラブコメ映画のような明るくハッピーなお話で、とても楽しかった!
打ち合わせでの何気ないやりとりからときめきが生まれていく丁寧な描写は、月村さんの小説ならではですね。
ほんとうは恋愛経験すらないくせに、無理して大人の男を装う小宮山さんがおかしいやらかわいいやら。藤原くんともども翻弄されっぱなしでした。