ちはやふる 31-32
瑞沢高校かるた部の三年生にとって、最後の夏。
太一不在のまま、最後の団体戦を迎えた千早たち。懸命に「部長」であろう、みんなのための自分であろうとする千早が、たのもしくて、なんともせつない。
これまで太一が背負ってくれていた役割まで、千早はぜんぶ自分が果たそうとしてたんだな。たとえそこにいなくても、ずっといっしょだった。
最後の戦いにたいせつな仲間がいないのはすごくさみしかったけど、「ちはやふる」はかるたの奥にあるひとりひとりの「人生の戦い」を描く漫画だ。
部活のあとにも、人生はつづいていく。そして、その後の人生のほうがずっとずっと長いのだ。
掴みたい「未来」のために、太一も千早たちも、自分にできる限りのことをやろうとした。この日の選択はいつか彼らの人生の糧となり、実を結ぶはず。
その証拠に、みんなが自分の行くべき道を掴み始めている。
成長って、ひとにとっての希望そのものですね。彼らを見ていると、心からそう思う。