無恋愛紳士
無性愛者の蘇芳は、涼やかな容姿で仕事もデキるにも関わらず、誰とも触れ合うことなく人生を過ごしていた。恋愛なんて欲望を言い換えただけに過ぎないと考える蘇芳に、部下の日夏は無邪気に好意を寄せてくる。
どんなに無下にされようとめげずに愛を語る日夏の存在は、いつしか蘇芳にとってかけがえのないものとなっていくが、恋したことのない蘇芳には自分が彼を愛しているかどうかがわからない。
たとえ幸せの絶頂にあっても、生きている以上、いつかその幸せも終わってしまうことを思って涙がでる。ARUKUさんの描く漫画には、そうした生命の儚さのようなものが詰まっていて、だからこそほんの一瞬の幸福が、まるで永遠のように輝いて見える。
最後のひとコマのモノローグが、まさしくARUKU節。このひとコマだけで涙腺崩壊です。