パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

将棋の子

 

将棋の子 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)

 

ふとフィクションじゃない物語を読みたくなって手に取った。

栄光の陰でこぼれ落ちていった才能たち。もがき、あがき、さまよう男たちの行方をつぶさに追ったノンフィクション。

棋士ではなくなった彼らが語る「羽生善治」という存在の圧倒的輝き。そこには妬みも恨みもなく、ただ彼と同じ時代に生きたことが勲章になる。将棋の歴史を塗り替えたといわれる天才のほんとうの偉大さを知った気がした。