昭和元禄落語心中 8
- 作者: 雲田はるこ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (8件) を見る
八雲師匠の回想のなかで、再会したみよ吉の誘惑に菊比古が応えてしまう場面にだけどうにも違和感があったのだけど、そうか、こういうことだったのか。く〜、八雲師匠にまんまと騙されていたのは、小夏や与太郎だけじゃなかったってことか。
八雲は小夏が失った過去を抱え、与太郎は八雲が封じた過去を抱え。それぞれに言葉にはできない過去があることを知りながら、黙って寄り添い合う三人なりの「家族」の関係にたまらなくぐっとくる。いわゆる愛や恋に比べれば、ずっとひねくれていて歪かもしれないけど、これもまた互いを想う情にちがいない。