ジョジョの奇妙な冒険 34-36
- 作者: 荒木飛呂彦
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おもしろい漫画を描くためなら、どんな犠牲を惜しまない。殺した蜘蛛の味を確かめたり、目の前で苦しみ悶えるファンの苦悶の表情をスケッチしはじめたり、人の人生を読めるというスタンド能力で他人の人生に介入したり、やることなすこと奇行のオンパレード!
それでも、この「露伴先生」が大変人気の高いキャラクターである、というのもとってもよくわかるのです。
彼の奇行はすべて、おもしろい漫画を描くため。金のためでもなく名声のためでもなく、露伴先生はただひたすら、読者に「読んでもらうため」だけに漫画を描いている。つまり、彼にとって漫画とは、自分と世界をつなぐすべてなのだ。自分と他者をつなぐ唯一のコミュニケーション手段を、より「リアリティ」のあるものにするためなら、彼はなんだってできる。
この献身にも似た情熱があるからこそ、読者であるところの我々は彼の奇行を笑い飛ばすことができない。
いやあ、おもしろい人です、露伴先生。