パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

竜のかわいい七つの子

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)

「竜の学校」に引き続き、奇想に満ちたアイデアと、地に足着いた描写がすばらしいファンタジー短編集。
発想力はもちろんのこと、中世ヨーロッパから日本昔話、神仙が眠る中国の奥地まで、紙の上に見事に再現してしまう表現力もすばらしい。シンプルな線だけで、その時代の空気みたいなものまで感じさせる柔軟さは、ちょっと坂田靖子を思わせるな。