パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ダイヤのA 12-14

ダイヤのA(12) (講談社コミックス)

ダイヤのA(12) (講談社コミックス)

ダイヤのA(13) (講談社コミックス)

ダイヤのA(13) (講談社コミックス)

ダイヤのA(14) (講談社コミックス)

ダイヤのA(14) (講談社コミックス)

リアル路線のスポーツ漫画であるダイヤのAにおいて、雷市の常人離れしたバッティングは唯一「漫画的表現」といえるものかもしれない。
クラスでは口下手すぎて孤立しがちな雷市が、グラウンドではどんな球もかっとばす「ヒーロー」に変貌する。雷市をプロ入りさせて荒稼ぎを夢見る、野球バカの父親兼監督。雷市親子とともに甲子園を夢見てきた悪友たち。マイペースだが義理堅いエースピッチャー。
ある意味、薬師高校は青道以上に泥臭く、主人公校と呼ぶにふさわしい要素を備えている。それもそのはず、もともと彼らは、著者がダイヤ連載以前に描いた読み切り作の主人公とのこと。
勝つべくして勝つザ・エリート集団の稲実とは違い、薬師の強さは「意外性」に尽きる。だからこそ、青道vs薬師の戦いはまるで主人公校同士が戦っているような、行方が分からないおもしろさがあるのだろう。