パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ひねもすのたり君と僕

木下さんの「幼なじみ」と「同級生」はテッパン。
貧乏長屋のお隣同士として暮らす、幼なじみの尚之と洋。惚れっぽくてすぐフラれてばかりいる2つ年上の尚之に、洋は長らく片想いしている。フラれたなおを慰めては、なおがまた恋に落ちる姿をいちばんそばで見ている。それが「家族」である自分の役目だと、洋は心に決めている。
もし私がこいつらの友だちなら「いいから告れよ!」ってドツきたくなるだろうけど(笑)、他人事ならこんなに楽しいものはない。本心を隠して、やさしい家族ごっこをつづけるふたりの不器用さがかわいくてかわいくて。
やっぱりいいなぁ、両片想いって。