パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ネガ

ネガ (バンブーコミックス Qpaコレクション)

ネガ (バンブーコミックス Qpaコレクション)

アホエロ満載の「ポジ」と対をなす、ダウナー系の病んだ愛を集めたネガティブ作品集。
3人の幼なじみの想いが交錯する「後悔の海」、「スイメンカ」。ごくふつうのサラリーマン臼井さん。彼のスーツの下で光るピアスの秘密を描いた「ピアスホール」。愛しすぎてこわれてしまった男の、震えるほどに幸福な結末「リスタート」。
「ネガ」と銘打つくらいだから、ものすごく痛かったりつらかったりするんだろうか…とこわごわ読み進んだものの、思った以上におもしろく読了。どの漫画も明るい話ではないが、どんな結末が待ち受けようと、それを「不幸」とするか「幸福」とするかは本人の心ひとつ。すべてを手に入れてながら虚しさにうちひしがれる者もいれば、すべてを失ってなお、たったひとつ残ったもののために生きられるものもいる。ひとの心の深淵を覗き込むような短編集。
女の子が主人公のBLアンソロジー「女子BL」に掲載された「わたしたちはバイプレイヤー」も収録。Bはらださんの描く女の子は、ほんと華奢でかわいいなぁ。脇川×皇子山の馴れ初めも読んでみたい。