大奥 10-13
どんな貴い志も、ひとの底知れぬ欲望のまえでは、路傍の花のようにたやすく踏みにじられていく。
この漫画が描こうとしているのは、人間の人生よりもさらに長大な「時代」や「歴史」といったものであるような気すらしてくる。たったひとりの人間になしうることはほとんどなく、幾多の意志と願いが重なりあい、機を得てようやくかたちを成す。
そう考えると、人生というもののはいったいどこまでつづいているのでしょうね。
この漫画を読んでいると、人間の計り知れぬ気高さと罪深さに、震える心地がします。