パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

はれもの水風船

有害図書指定のため、アマゾンでの取り扱いはなし。

いろんな意見がありますが、個人的には、ほとんどのBLがゾーニングなしで流通している以上、もっとしっかり修正なりしたほうがいいと思う。同人誌ならR-18の内容でも商業BLでは全年齢って、やっぱりヘンな話だもん。

べつにエロを描いちゃいかんってわけじゃないし、何を描いたらアウトなのかってのは出版社側もわかっているのだろうし。それでも全部赤裸々に描きたい!っていうなら、男性向けと同じように、成人指定つけるしかないだろう。

自分たちでも「これだけやってますよ~ちゃんと対策してますからね~」という姿勢を見せておかないと、何かあった時に真っ先に規制対象にされてしまうのでは…と不安を感じる。

閑話休題

幻想的な表紙がうつくしい義兄弟BL。

天真爛漫な沿と優等生の要は、血はつながらないが物心つくころから家族同然に育った義兄弟同士。 かつて沿が義父から性的虐待を受けていたと知ってなお、要は義弟に抑えがたい劣情を抱いていた。沿の頼れる兄でいようと思うほど身体にこもる熱をもてあまし、要は自分たちの関係を知る教師・大場とかりそめの関係を持つ。

かなり重い設定も盛りこまれた内容なのに、やっぱり赤星さんが描くと不思議と暗い話にはならない。赤星さんの描く濡れ場は、どんなときもエロ漫画らしいというか…圧倒的な「肉体の快楽」でどんな精神的苦痛もねじふせていく感じ。

BLは根が少女漫画なので、「好きな相手だからこそ感じる」というセックスファンタジーが根強いが、要は大場とのセックスでもじゅうぶん快楽を得ている。要の抱える問題は、義弟に恋してしまったことより、肉体的な欲望をコントロールしきれないところにあったんだろう。

あまりに愛と性に寛大なひとばかりで「むしろ悩む必要なんてなかったんじゃねーの?」とツッコミたくなるところもあったけど、それも含めていいエロ漫画でした。