パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

真夜中は相思相愛

真夜中は相思相愛 (花音コミックス)

真夜中は相思相愛 (花音コミックス)

ヒモ生活で食いつなぐイケメン大学生×堅物な眼鏡リーマン。
身体の関係からはじまったふたりのあまい同居生活。
真面目なことしか取り柄がないと思っていた貴明さんが、いつもお気楽な瑠以に自分の気持ちに素直になることを教えられていく。あまやかすつもりが、あまやかされてしまう年下攻め。
ある意味、BL版きみはペットですな。

オゲハ 1-2

オゲハ (1) (it COMICS)

オゲハ (1) (it COMICS)

オゲハ (2) (it COMICS)

オゲハ (2) (it COMICS)

日常とまじりあう狂気が癖になる。
無気力男子のキジは、公園で薄汚れたアゲハに似た蝶人間を見つける。異形に慄くことも、弱った蝶に同情するでもなく、ただおもしろ半分でキジはオゲハと名付けた蝶人間を飼うことにする。
この作家さんの真顔で冗談言う感じがすごく好きだ。キジはオゲハに悪意を抱いているわけじゃないけど、同じ人間だとも思っていない。わざわざ拾ってきたというのに、好奇心以上の情がキジから感じられないのだ。
キジのオゲハへの無関心さには彼自身の生い立ちも影響している気がして、ふたりを包む虚無にふと背すじが冷える瞬間がある。

でぃす×こみ 1

少年漫画家志望の妹のペンネームを拝借して漫画家デビューを果たした兄が描いたのは、なんとBLだった!?
ゆうきまさみがBL漫画を!?作中作のBLページはすべてカラー収録。しかも、着色はすべてオノ・ナツメ灰原薬ら、有名作家の手による豪華仕様。冒険というよりもはややけくそ(笑)な企画力にのせられて、まんまとご祝儀買いしてしまいました。
こんな無理難題をふっかけられても、しっかりBLの?ツボ″を押さえたネームを仕上げてくるところは、さすがの大ベテラン。正直、書いてる本人に萌えがないのが丸わかり(笑)なので、BLを読んでいる感じはまったくしないんですが、萌えでごまかされない分、構成の巧みさや演出力が際立っています。
今後の進退がかかったデビュー一作目のネームをめぐって、兄妹が試行錯誤する第二話「愚王×賢臣」(これ、CP表記に則るなら左右逆だな…)では、ゆうき先生の物語づくりのエッセンスがそのまま漫画になっていてすごく贅沢。なるほど、演出っていうのはただ派手に盛り上げるのではなくて、ほんとうに伝えるべきものにスポットをあてる作業なんだな。
トリッキーなアイデアで目くらましされているものの、ふたを開けてみればじつに正統派にしてユーモアに満ちた漫画家漫画だった。
ただ、個人的には「タンクトップ男子受け」って、そんなにスタンダードでもないと思うけどな!?

あとかたの街 1

あとかたの街(1) (KCデラックス BE LOVE)

あとかたの街(1) (KCデラックス BE LOVE)

12歳の少女の日常をとおして戦争を描き出す、等身大の名古屋空襲。
滅多に食べられない卵焼きに大喜びしたり、国民服をかわいくアレンジしたり、女学生のお姉さんたちに憧れたり。たとえ戦時中であっても、少女たちが心を躍らせるものはいまとなんら変わらないんだということに、たまらなく胸を締めつけられる瞬間がある。
当たり前のことが、当たり前にではなくなっていった時代。私たちには遠い昔のことのように思えるけれど、その過去はいまもかつて少女だった方たちの胸のなかにある…。
そういう人たちと同じ時代に生きている以上、私たちには知る義務があり、伝えていく使命がある。とつとつと日常を描いた漫画であるにも関わらず、いまこの漫画を描くということに作者の強い想いを感じる。

落語心中 9

昭和元禄落語心中(9) (KCx)

昭和元禄落語心中(9) (KCx)

何度も芸のために死のうとして、そのたびに情にほだされて。
連載当初は与太郎の物語かと思っていたけど、つくづくこの漫画は八雲師匠の漫画だったんだなぁ。考えてみれば、1巻の表紙は八雲師匠だったもんな。
壮年の色気を髄まで味あわせてもらえたことに感謝。

ドリフターズ 1-5

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 2 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 2 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 3 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 3 (ヤングキングコミックス)

刊行ペースが1年半に1冊とかなので、新刊がでるたびに読み返すんだけど、毎回新鮮におもしろい。自分の記憶力が衰えてるのもあるんだろうけど。
大国オルテを乗っ取った漂流者たちだが、黒王たちによって軍隊化されたコボルトやゴブリンたちが、北壁から進軍してくる。もはや廃棄物たちとの衝突は時間の問題となった。
さらなる戦力増強が急務であるこの場面で、ミッドウェー海戦を指揮した山口多聞撃墜王・菅野直、そしてローマの無敗の軍師・スピキオが邂逅するというなんとも血沸き肉躍る展開。2000年後の兵力と技術力のもとで、スピキオが指揮を奮ったら…。考えるだけでわくわくしてしまう。
黒王軍との決戦は、豊久の第二の関ヶ原となるか。6巻が待ち遠しい。

月に吠えらんねえ 5

月に吠えらんねえ(5) (アフタヌーンKC)

月に吠えらんねえ(5) (アフタヌーンKC)

ホモじゃねえかああぁぁぁ!!!
感想は本宅にて。 〈感想〉

He is beautiful. 2

He is beautiful.2 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

He is beautiful.2 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)

トップモデルのヨシカ×才気あふれるデザイナー・ミチ。元同級生のふたりの再会愛、完結巻。
ヨシカのモデルとしての才能を大切に想うあまり、彼に愛されることをおそれるようになるミチ。服があったからこそ結びついたふたりだから、恋と仕事のバランスをとるのが難しい。
恋に夢中になってる暇なんてないくらい、ヨシカもミチも忙しいもんなぁ。それでもひと目でも会いたいって気持ちだけでがんばれるんだから、恋は偉大だ。仕事をしているときはどんな無理難題にもひるまないくせに、いざ互いの前に立つと、まるで初恋に戸惑う少年みたいに初々しいふたりがかわいかった。
それにしても、毎日テレビに出演しながら浮名を流せる芸能人って、ほんとうにすごいなぁ。そのバイタリティを分けてほしい。

いちばん遠い星

いちばん遠い星 (H&C Comics ihr HertZ)

いちばん遠い星 (H&C Comics ihr HertZ)

は〜、両片想いっていいな!
感想は本宅にて。 〈感想〉