パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ギフト

 

ギフト (バンブーコミックス 麗人セレクション)

ギフト (バンブーコミックス 麗人セレクション)

 

 整体師の修(家では年中ジャージ)と、バイヤーのカンちゃん(重度の服狂い)の同棲生活を描いた「地獄行きバス」の続編。

つづきがあると思ってなかったから、めっちゃうれしい~。

モノへの執着がまったくなく、いつだってモノより思い出な修と、とにかくファッションが大好きな物欲の塊であるカンちゃん。まったくかみ合わないふたりなのに、お互いの欠けた部分にぴったり収まる相性の良さ。マンネリなんて感じさせない夜の激しさも含め、相変わらずのラブラブっぷりを堪能しました。

ほのぼの日常BLかと思いきや、修の家庭環境には明治さんらしい翳りがうかがえるところも、またよいスパイスになっていた。修がカンちゃんの浪費癖に寛容なのは、もとがお金持ちだからってのも影響してるんだろうな。

読みすすむうち、だんだんふたりの根っこにあるものが見えてくる。まるで、友だちのことを知っていくみたいでちょっとうれしい。

6月まとめ

BL小説:1冊
BL漫画:24冊
一般漫画:12冊
同人ほか:24冊

計 61冊

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あたらしいものとの出会いより、積みアニメ&積み漫画の消化に励んだ6月。
今月のベストはいわずと知れた傑作少女漫画、萩尾望都「半神」。いまでもバリバリ現役で活躍されている萩尾御大ですが、「半神」はさすが全盛期の作品だけあって、絵も物語も神がかっている。紙と墨だけでこれだけの宇宙をつむぎだすなんて、人間業とは思えない。
oimo「オゲハ」は、同人誌のころから非凡さを発揮してた作家さんの商業デビュー単行本。蝶の少女と無気力少年のボーイミーツガールストーリー・・・のはずが、全編にただよう不穏な空気がなんとも不気味。まるでネグレクトの家庭をのぞき見ているよな、後ろめたさが妙に癖になります。
新刊が出るごとに絶賛してますが、やっぱり5巻もすごかった清家雪子「月に吠えらんねえ」5。5巻はついに・・・白さんと朔くんがむにゃむにゃなことになっております。同好の士の方々は必見ですぞ!!
BL漫画でぐっとつかまれたのは、秋平シロ「いちばん遠い星」。両片想いって、ほんとうにいいものですね。

野蛮の蜜

野蛮の蜜 (リンクスロマンス)

野蛮の蜜 (リンクスロマンス)

じつは有名BL作家の別名義とのうわさのある神代さん。
もはや官能小説と呼びたくなるような、濃密なエロスがただよう未亡人BL。
雑誌掲載時から10年ちかく。ずっと切り抜きをとっておいた作品だけに、書籍化のよろこびもひとしおです。

アーモンドを七粒 2

やっぱり夏水さんのリーマンBLが大好きです。デキるイケメン×真面目眼鏡とか、定番なんだけど、しっかり美味しい王道に仕上げてくれる。
またリーマンものを描いてほしい限り。

パライソ

萌えどうこうというよりも、オリジナリティあふれる世界観とそのデザインセンスがすばらしい。

TRIP LOVERS

お好み焼き屋のおっさんが異世界に転生したら、イケメン騎士の嫁にクラスチェンジさせられた件。
BLというより、なろう系でよくあるタイプの「異世界転生」もの。歳の割にたよりない主人公が、お好み焼きの美味しさと、年増のかわいさを武器に仲間を増やして、幸せな結末を手にする。
BLで異世界転生というと「FLESH&BLOOD」くらいしか思いつかないなぁ。ファンタジーは設定にページを割かなきゃいけないから、とことん心理描写重視のBLとは親和性が低いんだろうか。

スクリーン

スクリーン (バンブーコミックス Qpaコレクション)

スクリーン (バンブーコミックス Qpaコレクション)

超平凡リーマン攻め×イケメン若手俳優受け。
見た目は格差婚、中身はとんでもなくバカップルな同級生ふたりのラブコメディ。
付き合ってるのにストーカーにしか見えない攻めの愛の重さにも、イケメンでありながらモブ顔の攻めにぞっこんな受けにも、すこぶる萌えました。

曲がり角に、犬

曲がり角に、犬 (バーズコミックス リンクスコレクション)

曲がり角に、犬 (バーズコミックス リンクスコレクション)

媚の凶刃 2

媚の凶刃 (2) (スーパービーボーイコミックス)

媚の凶刃 (2) (スーパービーボーイコミックス)

「囀る鳥は羽ばたかない」がインテリヤ○ザだとしたら、こっちはマジもんの極道である。
ヒゲあり、真珠あり、金ネックレスありの脂がのりまくったオヤジたちに、読後やや胸やけするくらい濃ゆい任侠BLだった。