パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

夢で逢えたら

夢で逢えたら (ガッシュ文庫)

夢で逢えたら (ガッシュ文庫)

若手お笑い芸人「サトスズ」の鈴木こと、律の長年の片想いの相手は相方の賢介。たとえ恋人になれなくても傍にいたいと想いを押し殺してきた律だったが、サトスズに解散の危機が訪れる。健介への未練を断ち切れずに悩む律を救ったのは、一杯のラーメンだった。
ラーメン屋を目指す青年と、相方に片想いする芸人という組み合わせに惹かれて購入。
漫才コンビという設定を持ってきたわりには、律と賢介の間にパートナーシップが感じられなくてちょっと物足りない。最後までなんで賢介は律に漫才をやろうともちかけたんだろう?と疑問なまま、終わってしまった。
律にとって漫才は賢介とともにいるための方便だし、賢介も律とコンビでいることが気持ちに応えられないうしろめたさへの免罪符になるかのようだし、笑いの神様に失礼やろう。
白瀬と律のゆっくり歩み寄っていく恋模様は、じれったくもかわいかった。