パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

愛執

愛執 (ミリオンコミックス  Hertz Series 99)

愛執 (ミリオンコミックス Hertz Series 99)

高校時代いくども身体を重ねながら、けして愛されることのない苦しさに耐えられず、安良垣の傍から離れた馨。卒業後、安良垣は俳優として成功し、平凡な学生である馨には手の届かない存在になったはずだった。
もう会うこともないと思い始めたある日、突然安良垣が馨のバイト先を訪れる。
「お前が俺の前から 消えていい筈ないだろ?」かつてと同じ傲慢な安良垣の言葉と態度に支配され、再び馨は報われぬ想いに身を灼くことになる。
傲慢な支配者と臆病なゲイのすれ違う恋物語……かと思いきや、この安良垣、じつは自分の気持ちすら把握できていないただのワガママな子ども。これまで求められるばかりだった安良垣は、自分の馨への執着が「恋」ゆえのものだと気づいていない。
傍若無人な俺様だった安良垣だが、恋を自覚した途端、すっかり「捨てられることに怯える子犬」のようなヘタレ攻めに。これはこれで大変そう…と思うのだけど、馨は愛されて満足そうなのでめでたしめでたし。