パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

志ん朝の走馬灯

志ん朝の走馬灯 (ちくま文庫)

志ん朝の走馬灯 (ちくま文庫)

昭和元禄落語心中」を読み、萌えに昂ぶる心のままに落語の本を物色。いろいろ漁ったすえ、ハウツー本より人物伝のほうが楽しめるか、と手に取った。
「落語家ではじめて歌舞伎座公演を果たしたのは圓生だったんだ」「あ、強次って、志ん朝の名前か」などなど、「落語心中」の元ネタをいろいろ発掘できてとても面白かった。
私の勝手な推測では、型破りの爆笑王・志ん生助六、滑稽よりも人情に秀でた職人肌・圓生=八雲、志ん生の息子であり圓生にも可愛がられたという天才・志ん朝与太郎をモデルにしてるんじゃないかと。
もちろん重なるのはイメージだけで、まったくオリジナルな人物として存在しているのだけど、いろんな符合が散りばめられていたことに気づいてニヤリとした。