パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

それが愛だとするならば

それが愛だとするならば (ショコラ文庫)

それが愛だとするならば (ショコラ文庫)

幼馴染み同士のすれ違い上京物語。
都会の色に染まって、足手まといになった幼馴染みの透を切り捨てようとした哲也が、様々な困難を経て、ほんとうに自分を愛してくれた人は誰だったのかに気づくお話。どんなに哲也に冷たくつきはなされようと、「いちばんじゃなくてもいいから、そばにいたい」と必死にすがりつく透の健気な恋心がせつない。
哲也といっしょにいられさえすればいい透と、出世のためなら打算のうえでの結婚も厭わない哲也。綺麗事には収まりきらないふたりのエゴのぶつかり合いに、途中なんどか、哲也も透も自分の都合ばっかり押し付け合いすぎだー!と色めき立ってしまった。笑
ちょっと砂原さんの「恋雪」を思い出した。こちらもとても素敵な幼馴染みの上京物語。