パン屑の道しるべ

読み散らかした本をたどって

ハンサムは嫌い。

ハンサムは嫌い。 (SHYノベルス292)

ハンサムは嫌い。 (SHYノベルス292)

同時収録の「無作法な紳士」は初読。
お金持ちのお坊ちゃま受けがわけあって、炭焼き職人の山男を「本物の紳士」に仕立て上げるBL版マイ・フェア・レディ(?)。チャーミングでファンタジックなお話でおもしろかった。
二作に共通して思ったのは、音楽の使い方の巧みさ。宝塚ファンのお手伝いさんが口ずさむ「すみれの花の咲くころ」。カリスマ美容師が働く美容院で流れるのは、小粋なジャズナンバー。自分だけの生き様を貫くドラァグ・クイーンの花道を華々しく盛り上げるロック・チューン。
さりげなく差しはさまれる楽曲がキャラクターの人となりを見事に表現していて、やっぱり榎田さんうまいなあとうなってしまった。